サンプリングモアレカメラ
DSMC-100A

サンプリングモアレカメラは、各種構造物の奥行き方向を含む微小変位を1台のカメラで多点同時に高速で測定できます。このカメラを用いることで、遠隔・非接触で橋梁など大型インフラ構造物のモニタリングが可能となります。今後、インフラの維持管理・更新の高度化・効率化を図り、作業時間の短縮や通行規制などの利便性低下の抑制など、人材・技術・財源不足の解決への貢献が期待できます。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果得られた成果を活用しています。
特 長
1. XYZ変位を遠隔からカメラで簡単計測
本開発装置は測定対象物と離れた場所からの測定ができます。河川橋や跨線橋などの橋梁下部といったアクセスや計測機器の設置が困難な場所においても測定可能で、測定期間中の通行規制の実施などによる利便性の低下が生じません。また、本プロジェクトでアルゴリズムを新開発し1台のカメラでの面外変位測定※を可能としたため、装置の設置場所を限定せずに、さまざまな現場環境に対応できます。
※面外変位測定:撮影した画像の奥行き方向(視線方向)の変位の測定。従来は2台以上のカメラが必要であった。サンプリングモアレカメラでの変位測定の対象の例
(構造物に貼り付けた格子シートを用いて、奥行き方向を含むXYZ方向の微小変位を高精度測定)

インフラ構造物の変状表示画面イメージ
(変形を強調表示し、さらに色で変位を表示)

2. 高速撮影(最大500fps※以上)が可能
カメラ内部でのDSP※処理による500fps以上の高速撮影で、構造物の固有振動数の変化や高速車両通行時の橋梁や床版たわみなどの動的変位のピーク値も逃さず捉えることができます。
※fps (flame per second):1秒間に撮影できる画像の枚数。※DSP(digital signal processor): デジタル信号処理用のプロセッサ。
3. 測定中のリアルタイムモニターによる波形確認
測定中の変位データが多チャンネル同時にモニタリングできるので、収録データの異常や構造物の現在の状況を現場で即座に確認することができます。そのため、測定作業のやり直しなど、データ処理・解析までの手戻りを防ぎ、効率の良い測定ができます。
4. 24時間以上の連続測定にも対応
長期連続モニタリングに対応した定点観測モードにより、長期無人測定を行うことができます。年間を通した構造物の変状測定や災害発生時の遠隔監視システムの構築も可能です。
仕 様
型式名 | DSMC-100A |
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分解能 | 格子ピッチの1/100から1/1000 (格子の撮影画素数による) |
計測フレームレート | 1fps~500fps (処理領域数と領域サイズ,露光時間による) |
サイズ・重量 | カメラ本体 76(W)×63(H)×121(D)mm(コネクタ等の突起部を除く)、 約850g |
ソフトウェア | DSMC-10A サンプリングモアレカメラ オフライン解析ソフトウェア |