CST方式の原理

CST(Capacitance Self Tracing)方式は弊社が開発した方式で、交流方式の測定器においてスイッチ等を操作することなしに、測定中常に電気的に容量の不平衡分をキャンセルする方式です。ブロック図に示すように、C検波回路によって取り出された容量による不平衡分は、駆動回路および打消回路によって位相を反転させ、ブリッジの出力に加えて容量による不平衡分を打ち消します。この方式を用いれば交流方式の測定器でも初期平衡調整の際にわずらわしい容量分調整が不要となり、また測定中に容量分が変化しても常にキャンセルされますので、容量による不安定さが解消できます。またブリッジ電源に高い周波数のものが使用でき、応答周波数を上げることが可能となり、応答周波数最大10kHzのものが製品化されています。このCST方式は現在弊社の交流方式の測定器すべてに搭載されています。