リモートセンシング法の利点
ロードセルなどのひずみゲージ式変換器を使用した高い精度が要求される測定で、延長ケーブルが長いときはケーブルの導体抵抗、周囲温度変化などの影響で、測定に誤差が発生します。この誤差要因を取り除きブリッジ電圧を安定化するのが、リモートセンシング機能です。

いま、 0.5mm2のキャブタイヤケーブルを100m延長した場合を考えますと、導体抵抗は約4.0Ωです。図-1においてr=4.0Ωであれば入力回路としては、往復8.0Ωとなり、変換器の入出力抵抗が350Ωとすると電源電圧E(V)のとき、ブリッジの両端の電圧は、感度が約2.2%低下したことになります。
さらに測定中周囲温度が10℃変化したとすると変換器両端の電圧は約0.1%変動し、精度が0.02%ROのロードセルでもその価値は失われます。
リモートセンシング法では図-2に示すように、ブリッジの入力側にさらに1対のケーブル(誤差検出線)を追加して6心とします。ブリッジ電圧は、ケーブル抵抗 r によって低下し、この電圧は検出線により誤差増幅部に導かれ、基準電圧と比較し、その差の電圧を高増幅度、高インピーダンスの誤差電圧増幅器で増幅し、その出力で制御回路を動かすので、ケーブル抵抗 r に無関係にブリッジの入力電圧は一定に保たれ、精度、安定度のよい測定ができます。なおその場合のコネクタの接続および ケーブル色別は図-2のA~Gのようになります。
