光ファイバセンシングとは
情報通信の世界は日進月歩です。光ファイバケーブル技術はその情報量の増加に伴い日々進化しており、それは光ファイバを用いた計測(センシング)技術にも影響を与えています。
電気信号を使用しない光ファイバケーブルは、計測の分野でもセンシングの手段として研究開発され、新たな技術として確立されようとしています。

共和電業が採用している光ファイバセンシング技術(FBG)は、従来の電気式ひずみゲージで計測が困難な環境化において新たな計測の可能性を提案できます。
FBG(ファイバ ブラッグ グレーティング)の構造
光ファイバはガラスでできたコアとクラッドの二重構造でできており、その周りをポリミイドでコーティングしています。
FBGとは、光ファイバに紫外レーザー光を照射して、光ファイバ中のコア部分に光の屈折率を変えるグレーティング(回析格子)を形成したものです。この回析格子に合致した波長(λb=2nΛ・ブラッグ波長)の光信号を反射させて、他の波長の光信号は回析格子を通過します。
光ファイバそのものに形成するため構造が大変シンプルで損失が少なく、小型・高信頼性であるなど多くの利点があります。

FBG光ファイバ式センシングの原理
入射光がFBGを透過すると、ブラッグ波長と呼ばれる波長成分がFBGで反射され、残りの波長成分は透過します。このFBGに温度や外力が加わるとファイバは膨張あるいは伸長し、それに伴いブラッグ回析格子の間隔も変わるため、反射するブラッグ波長も変化します。このFGBの特性を生かし、ひずみや温度変化を光によってセンシングすることができます。

光ファイバ(FBG方式)の特長
ガラスでできている光ファイバの特性を生かし、光の波長変化を利用してひずみや温度を測定します。ノイズの影響を受けないセンシングの可能性が広がりました。
光ファイバ式センシングの優位性

電磁界ノイズの影響を受けず、
安定した計測を実現
電界ノイズ影響の確認
磁界ノイズ影響の確認
ひずみゲージと光ひずみセンサによる
ひずみ測定比較
テストピースに電気式ひずみゲージと光ファイバ式ひずみセンサを貼り、テストピースに力を加えてはじいた試験です。
同じ力が加わったテストピースには、同じひずみが発生します。電気式、光ファイバ式と同じひずみが計測され、従来からの電気式ひずみゲージを用いた計測と同じ結果を得られました。
電気式では計測が困難な環境において、光ファイバ式ひずみゲージの活躍の場所が増えていきます。
測定方法(センシング)の選択
- ひずみ・温度を測定するセンシングの部分を担う光センサ
- 測定したひずみ・温度を光からデジタル信号に変換して計測する光計測器
それぞれニーズに合わせた選択ができます。

ひずみ・温度の光センサ

測定点数・応答速度に合わせた光測定器
光ファイバを用いた計測事例

大型構造物(橋・トンネル等)のヘルスモニタリング

高低温や防爆エリア等厳しい環境下での計測

ブレードやタワー、基礎の実証試験

エンジン周り・モータ周りのひずみ、温度計測

ベアファイバを用いた性能評価試験

線路や架線等設備のヘルスモニタリング