加速度センサ(変換器)について

走行車両の加速度、車体、機械などの振動をひずみゲージを用いて電気的出力(微小電圧)に変換し、測定目的により、各種測定器に接続し、加速度、振動の測定を行います。 小型軽量で、しかもその静的・動的特性がすぐれています。またX、Y、Z方向を同時に検出できる3軸型もあり、広い応用範囲を持っています。
ご使用に際しての重要な注意
ひずみゲージ式変換器は、水素環境下ではご使用できません。
特長
- 小型、軽量のため、変換器取り付けによる被測定物の振動モードへの影響はわずか
- 応答周波数範囲が広く、衝撃加速度も忠実に検出できる
- 3軸加速度変換器は、各軸の相互干渉が少ない
加速度センサ(変換器)の原理
図1に示す基本構造において、加速度が加わると、重錘に働く慣性力によって板ばねが加速度に比例して変形します。その変形をひずみとして検出することにより加速度を測定することができます。特長は、静加速度(0Hz)から応答できることです。

取り付け、取り外し
加速度の測定方向に加速度変換器の感度軸(変換器に+←→-で表示されている)を合わせて取り付けてください。

●加速度変換器の感度軸の刻印には2種類あります
(1)感度軸を示す矢印が「+←→-:両矢印」の場合
加速度変換器を、「+」が地球の中心を指すように(重心加速度の方向に)設置したときに(図2で左側の状態)静止状態で+1Gが出力されます。重力加速度を出力の基準としているため、加速度の入力条件と変換器出力の符号は以下のような関係になります。

(2)感度軸を示す矢印が「↑片矢印」の場合

注)加速度変換器の取り付けは、接着剤(CC-33A)、ねじ止め、及び取付ベースによる方法などがあります。正しくご使用いただくためには、取扱説明書に記載された方法で、取り付けを行ってください。 取り外すときには、大きな衝撃、力が加わると破損することがありますので、十分な注意が必要です。

周波数特性と温度の関係
ひずみゲージ式加速度変換器の中には、平坦な周波数特性を得るために、内部にオイルを使用して、温度23℃のときの周波数特性が平坦になるようにその粘度を調整されている機種があります(AS/ASH/ASHT/ASW型)。オイルは温度により粘度が変化し、それにともない周波数特性と位相特性に影響を与えます。粘度変化の少ないシリコーンオイルを採用していますが、温度により下図のように周波数特性が変化します。このため、応答周波数の1/10以上の帯域での測定で、特に精度の高い測定が求められる場合は、加速度変換器の温度を23℃近辺に保つことが必要です。

過負荷に対する配慮
加速度は、人間の感覚としてその大きさを把握しにくい面があります。例えば加速度変換器を床上に落下した場合、床の材質により異なりますが、9807m/s2(1000G)以上は容易に観測されます。低容量の加速度変換器に定格の10倍以上の加速度が加わった場合、初期不平衡が大きく変化し、最終的にはゲージ断線などにより使用不能となりますので、取り扱いには十分注意をお願いいたします。
1G=9.807m/s2とします。