ひずみゲージ
お客様からよくいただくご質問と回答をご紹介しております。
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Q1瞬間接着剤を取り扱う際の注意点を教えてください。
A1
CC-33Aなど瞬間接着剤は、布や皮などの手袋や着衣などに大量に染み込むと、急激に発熱し、火傷をすることがあるので注意してください。布製の手袋を避け、ポリエチレン製手袋などを使うことをお勧めします。
Q2120Ωと350Ωの使い分けは?
A2
通常、一般の応力─ひずみ測定には120Ωタイプ、変換器の製作には350Ωタイプが使用されます。
Q3ひずみゲージの抵抗値は何故100Ωとか200Ωのように区切りのよい抵抗値ではないのですか?
A3
1938年に米国でひずみゲージが考案された時から抵抗値は120Ω、350Ωが基準抵抗値とされ、各国のメーカーも準拠しています。
Q4ゲージのパッケージに抵抗値が表示されているが、規格上の偏差はどの位か?
A4
単軸型(C1)KFGSゲージの例を示します。
標準ゲージ | 120±0.4Ω、350Ω±1.2Ω |
---|---|
リード線付ゲージ | 120±0.8Ω、350Ω±2.4Ω |
Q5120Ω、350ΩのKFGSゲージに印加するブリッジ印加電圧は何V位が適当か?
A5
ゲージに印加できる電流はジュール熱による発熱と放熱の関係から、金属に接着した場合には20mAが限度である。しかし、零点の安定性を考慮すると実用的には、10~15mAが限度でブリッジ印加電圧は120Ωで2~4V、350Ωで5~10Vが標準である。
ただし、被測定物が薄いものであったり、プラスチックやセラミックスなどのように放熱の悪い材料では、さらに少ないブリッジ印加電圧が望ましい。
Q6外径がφ5以下の丸棒の円周方向にKFGSゲージを接着したい。KFGSゲージの型式と接着可能な外径の目安を教えて下さい。また、曲率面に接着した場合にどんなゲージ特性が低下するのか?
A6
型式名 | 接着可能な外径(mm) |
---|---|
KFGS-5-120-C1-11 | φ4.5 |
KFGS-2-120-C1-11 | φ3.5 |
KFGS-2N-120-C1-11 | φ3.5 |
KFGS-1-120-C1-11 | φ3.0 |
KFGS-1N-120-C1-11 | φ3.0 |
曲率が小さな曲面にゲージを接着すると接着時に生ずる抵抗値変化などにより正常な測定に支障を来す場合がある。
(1)ひずみ測定器で初期不平衡がとれない。
(2)許容ひずみが減少する。KFGSゲージのひずみ限界が5%以下となる。
(3)温度による見かけひずみの特性が変化する。
(4)接着剤の加圧不足や接着剤層の厚みムラなどにより疲労寿命やクリープ特性が低下する。
Q7SDS 安全データシート(旧MSDS 化学物質等安全データシート)を発行してもらうことはできますか?
A7
弊社カタログに掲載の接着剤、コーティング剤に関して発行できます。 (一部製品を除く) ダウンロードはこちらからお願いいたします。
Q8ひずみゲージの原理を教えてください。
A8
箔ひずみゲージは金属箔を樹脂フィルムで挟んだ構造になっています。金属材料は伸び縮みにより抵抗値が変化します。伸び縮みの割合と抵抗値変化の割合が比例関係にあることを利用してひずみを測定します。
※詳しくはこちらをご覧ください。
Q9ひずみゲージを使用するメリットを教えてください。
A9
比較的安価で簡単に精度よく、測定対象物に生じたひずみを測定することができます。構造が小さくシンプルで取り付けも容易です。応答周波数が高く、速い現象、局所的ひずみや多点によるひずみ分布の測定も可能です。
また、高温から極低温、水中等さまざまな測定環境に適したひずみゲージがあります。
※詳しくはこちらをご覧ください。
Q10ひずみゲージの選び方のポイントを教えてください。
A10
試験環境(温度、湿度)や、被測定材料の線膨張係数、ひずみゲージの取り付けスペース、予想されるひずみ量などを考慮してひずみゲージを選択する必要があります。
※詳しくはこちらをご覧ください。
Q11ゲージ長の長いひずみゲージはどのようなところで使用するのですか?
A11
小石が混じったコンクリートや木目がある木材など、不均一に変形する材料のひずみを測定する場合は、ゲージ長の長いひずみゲージを使用して、平均的なひずみを測定します。
Q12ブリッジ(ホイーストンブリッジ)の組み方例を教えてください。
A12
ブリッジ回路は、大きく分けて1ゲージ法、2ゲージ法、4ゲージ法があります。(=それぞれ、クオータブリッジ、ハーフブリッジ、フルブリッジと呼ぶこともあります。)ブリッジ回路には4辺があり、1ゲージ法はブリッジ回路の1辺にひずみゲージを1枚使います。同様に、2ゲージ法は半分の2辺にひずみゲージを各1枚ずつ、4ゲージ法は4辺全てにひずみゲージを各1枚ずつ使用します。
さらに、アクティブ、ダミーゲージを使った色々なブリッジの組み方があります。
※詳しくはこちらをご覧ください。
Q132線式結線法とは何ですか?またリード線にはどのような影響がありますか?
A13
1枚のゲージを2線のリード線でブリッジ回路に結線する方法です。
3線式に比べて配線数は少なくなりますが、測定中の温度変化で生じたリード線の抵抗値変化が見かけひずみとしてひずみ出力に加わるため、温度変化の少ない環境で使用します。
※詳しくはこちらをご覧ください。
Q143線式結線法とは何ですか?またリード線にはどのような影響がありますか?
A14
1枚のゲージを3線のリード線でブリッジ回路に結線する方法です。測定中の温度変化で生じたリード線の抵抗値変化による見かけひずみを除去することができます。
※詳しくはこちらをご覧ください。
Q15自己温度補償型ゲージとは何ですか?
A15
被測定材料に適合するようにひずみゲージ抵抗素子材の抵抗温度係数を調整し、温度によるみかけひずみをできるだけ小さくしたものです。共和の自己温度補償型ひずみゲージは、みかけひずみを±1.8×10-6ひずみ/℃以内に調整しています。
※詳しくはこちらをご覧ください
Q16線膨張係数とは何ですか?
A16
温度変化によって物質の長さや体積が変化する割合を1℃あたりで示したものです。
Q17ポアソン比(λ)とは何ですか?
A17
材料に引張力Pを加えたとき、材料は軸方向に伸びるに従って、直角方向は縮みます。軸方向の伸びを縦ひずみ、直角方向の縮みを横ひずみといいます。
縦ひずみε1と横ひずみε2の比の絶対値をポアソン比(λ)といいます。
λ=ⅼε2/ε1ⅼ。一般鋼材で0.3です。
※詳しくはこちらをご覧ください。
Q18カプセル型ひずみゲージは、箔ひずみゲージといった他の種類のひずみゲージとどのように違いますか?
A18
ひずみゲージには、「箔ひずみゲージ」「線ひずみゲージ」「半導体ひずみゲージ」や「カプセル型ひずみゲージ」等の種類があります。
「カプセル型ひずみゲージ」は高温環境下で使用できるように耐熱性金属で覆った完全機密構造になっています。センサ部はチューブとフランジで構成されて、リード線にはMIケーブルを使用、被測定物への取り付けは点溶接で行います。
Q19接着剤の使用期限と保管方法について教えてください。
A19
一般的に冷蔵庫等の乾燥した冷暗場所で保管してください。接着剤の使用期限は包装に明記してあります。毒劇物指定品は施錠が出来る専用の保管庫が必要となります。
Q20ひずみゲージを貼り付けるときに、推奨以外の接着剤を使用しても大丈夫ですか?
A20
共和電業では、推奨接着剤を使用してひずみゲージの特性試験を行っています。推奨品をご使用ください。
Q21リード線の種類にいろいろ種類がありますが、どのように選んだらいいですか?
A21
一般的には、使用温度、2線式か3線式か、長さ等からお選びください。ノイズ対策が必要な場合は、低ノイズタイプのリード線もあります。
※詳しくは以下をご覧ください。
リード線付ゲージの選択
リード線製品詳細
Q22長いリード線付ひずみゲージを使用する場合、注意することはありますか?
A22
リード線を長くするとリード線の抵抗値が大きくなりブリッジ電圧が低下するため、出力補正が必要となります。
また、温度によってリード線の抵抗値が変化し、見かけひずみとして出力に加わるので、測定精度に影響します。この見かけひずみをその影響を除去するためには3線式結線法を使用します。搬送波型のアンプを使用する場合は、線間容量分が問題となり、場合によってはバランスが取れないことがあります。
※詳しくはこちらをご覧ください。
Q23ロゼット解析の計算式を教えてください。
A23
ロゼットゲージ(3軸ゲージ)で測定したデータからロゼット解析で最大主ひずみや方向等を算出することができます。共和の集録ソフトウェアDCSや解析ソフトウェアDAS-200Aの演算処理機能で簡単に算出することができます。
※詳しくはこちらをご覧ください。
Q24ひずみゲージの接着したときに、接着角度によって誤差はでますか?その誤差の求めからと基準の数字を教えて下さい。
A24
接着角度誤差の影響については計測メモをご覧ください。
Q25ひずみゲージを貼ったことがありません?講習会や解説書等はありますか?
A25
「ひずみゲージ基礎講習会」を定期的に開催していますので、ぜひご参加ください。
※詳しくはこちらをご覧ください。
Q26ひずみゲージを特注することはできますか?
A26
できます。弊社営業スタッフまでお問い合わせください。
Q27基板のひずみを測定したいのですが、 計測に必要な最小構成品を教えてください。
A27
ひずみゲージ、ひずみゲージ貼付セット、基板応力測定セットPCAS-1000A、パソコンが必要です。
Q28型式の-C1や-D9、-D16等の違いは何でしょうか?
A28
型式の-C1や-D9、-D16等はひずみゲージのパターン形状を表します。
※詳しくは「ひずみゲージの型式名とその読み方」をご覧ください。
Q29型式末尾の-11や-16等は何を表わしているでしょうか?
A29
型式の-11や-16等は適用材料の線膨張係数を表します。
※詳しくは「ひずみゲージの型式名とその読み方」をご覧ください。
Q30ひずみゲージを初めて使用するのですが、選定方法を教えてください。
A30
被測定物の材質、想定される変形量、計測時の温度などです。
※詳しくは「ひずみゲージの選び方」をご覧ください。
Q31部材に加わるひずみが、引張によるひずみなのか、曲げによるひずみなのか分かりません。判断することはできますか?
A31
「引張によるひずみ」と「曲げによるひずみ」は、ゲージ2枚を貼りつけることで判断可能です。単純な片持ち梁を例に、2アクティブゲージ法で配線方法を変えると、引張ひずみまたは曲げひずみを測定することが可能です。
※詳しくは「ひずみゲージブリッジの組み方例No.7、8」をご覧ください。
Q32線膨張係数について、普通鋼材用のひずみゲージ(KFGS-1-120-C1-11 L3M3Rを使用)で銅のひずみを測定した場合、補正は可能ですか?可能な場合、補正式を教えてください。
A32
測定は可能です。
測定中に温度変化が無ければ補正する必要はありません。
温度変化がある場合は、見かけひずみの補正が必要です。普通鋼材より銅のほうが線膨張係数が大きいので、測定データから、差分を差し引く必要があります。差分=(16.7-11.7)×温度変化分です。補正するには測定中の温度データが必要となります。
また、コモンダミー法という、同じゲージを同じ材料に貼って、同じ温度条件内に外力がかからないようにおき、見かけひずみをキャンセルする方法があります。
※詳しくは「ひずみゲージブリッジの組み方例No.5」をご覧ください。
Q33ひずみゲージに周波数特性の制限はありますか?
A33
ひずみゲージの応答周波数はゲージ長やゲージ種類によって異なります。汎用ゲージKFGSの応答は、数百kHzです。また、貼り付ける部材、使用する測定器によっても、応答周波数は変化します。
Q34-40~120℃でのボルト軸力測定にひずみゲージKFB-1.5-120-C20-11 N5C2を検討しています。 接着剤EP-340の使用で温度範囲-55~150℃の測定はできるのでしょうか?
A34
接着剤を変更するだけではできません。KFB-1.5-120-C20-11 N5C2の温度補償範囲は20~50℃です。
なお、当社では特殊ゲージを貼付け-40~200℃までの温度範囲で使用可能なボルト軸力計を製作可能です。弊社営業担当までお問い合わせください。
Q35ひずみゲージが水に浸かる(実験中だけ)ため、防水処理を施したいと考えています。剛性が小さい部分でひずみを計測するので、剛性に影響がないコーティング剤を教えてください。
A35
試験温度や試験時間によって異なりますが、室温付近、短期試験であれば、あらかじめ防水加工してある防水型ひずみゲージ(KFW、KFWS)を使用する方法があります。またコーティング剤は、剛性が低い部分なので、C-5を推奨します。
Q36チップコンデンサに貼り付け可能なサイズのひずみゲージはありますでしょうか。
A36
ベースサイズが1.2×1.1mmの基板応力測定用のひずみゲージKFRS-02-120-C1-13があります。
取り付け可能か、ご確認ください。